斉藤裕之展
開催期間 |
2024/05/25 ~ 2024/06/16
休み:
毎週月曜日、火曜日
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時間 | 水曜〜日曜: 11:00 〜17:00 展覧会最終日: 11:00 〜16:00 |
会場 | あーとらんど ギャラリー (丸亀市) |
斉藤裕之 平熱日記について
二十年ほど前に大工の弟が我が家を建てた。私も手伝った。新興住宅地に現れた木造の家。私は妻の求めに応えて吹き抜けの階段脇の壁に漆喰を塗った。その時余った漆喰を小さな木のかけらに塗ってフレスコの風の絵を描いてみた。前後して美術雑誌や展覧会を見なくなった。美術の用語を使わないようにした。現代とかアートとか空間とか・・・。制作も描写もしない、キャンバスに絵を描くことも大きな画面に向かうこともやめた。漆喰にただ「絵」を描こうと思った。それから毎朝絵を描いた。
ある日古いハエたたきを見つけた。錆びた金網の部分を切り取って漆喰を塗って絵を描いてみた。金網と漆喰がそれぞれを支えあっていてはかなさと美しさを感じた。絵を描いた後でチョキチョキと切って大きさや形を変えられるのも面白かった。机の上には描きかけの小さな絵がいっぱい並ぶようになった。誰かに見せるつもりで描いていたわけではなかったのだけれども、そそのかされて小さな個展を開いた。私の描く絵を見て、ある人はノスタルジーだといい、ある人は俳句のようだといった。私は日々の暮らしや身の回りのちょっとした出来事を描く。平熱のままに。日記のように・・・。
コロナのこともあってうちに絵を描きに来ていた子供たちの声は今はもうない。私は子供たちが使うはずだった残された紙粘土で小さな我が家をこさえて色を塗った。それからそれを絵に描いてみた。サイディングで覆われた家々の中にあって、杉の外壁の我が家だけが長い間の風雪によって地面に近い風合いとなっていた。この紙粘土シリーズ?は結構面白かったので古い小学校や電車、友人の家なんかも作って描いてみた。
昨年、六十を超えて初めて四国の地を踏んだ。私の生まれ育ったところから天気の良い日は四国が見えるというのに。海の上に架かる橋から見える島々は私の知っている瀬戸内のそれとは違った景色に見えた。私は紙粘土で古い灯台をこさえて描くことにした。
(2024年2月 斉藤裕之)
詳細
開催期間 |
2024/05/25 ~ 2024/06/16
休み:
毎週月曜日、火曜日
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時間 | 水曜〜日曜: 11:00 〜17:00 展覧会最終日: 11:00 〜16:00 |
会場 | あーとらんど ギャラリー (丸亀市) |
住所 | 〒〒763-0022丸亀市浜町4番地 |
出演者 | 斉藤裕之 |
料金 | 無料 |
詳細ページ | https://artland-gallery.jp/ja/exhibitions/exh_overview_ja.html?EN=741&online=GAL&group_exh=0&type=0&img_sc_num=2&ARN=864&artland=artland |
主催・お問い合わせ先 |
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